自分の意見を言えるようになるために必要なこと
チームで大きな成果を出していくためには各々が意見を出し、その中からベストな意見を採用することが重要だと考えている。
しかし現実には意見を出せない人もいるため、自分の意見を言えるようになるために何が必要なのかを考えて整理してみた。
基本的な知識や経験を有すること
「守破離」の「守」に相当するもので、基本として知っておくべきもの。
自身の経験上、以下のようなことについては知識や経験がなければ、意見を持つことは難しかったと感じている。
- 保守性の高いシステムを実現するためには、何が必要か
- 新卒や後輩をどのように指導していけばよいのか
- 将来に向けて、どのような金融商品を用いてどのような資産形成を行っていけばよいのか
実践経験を積むにはそれなりの時間が必要となるが、書籍を通じた仮想体験や知識の獲得であれば比較的短時間で可能である。
読書や実戦経験を通じて、少なくともセオリー・定石のようなパターンや、絶対に回避すべきアンチパターンを理解することができる。
ただし、「よりよい意見を探し求めて永遠に情報収集し続ける」といった状況に陥らないよう注意。
そのためには絶対的な正解や銀の弾丸は存在しないと心得て、どの程度の時間を情報収集にかけるか、何があれば意見を出せるのかを明らかにしておくこと。
価値基準を自分の中に持っていること
「世の中で一般的に良しとされていること」「普通であること」「周りの人が言っていること」「偉い人が言っていること」などではなく、真に自分の意見を決める上で必要なもの。
自分の価値基準がないと、複数のアイデアが思い浮かんだとしても自分の意見として決めることができなかったり、自分の複数の意見の中で矛盾が生じることがある。
価値基準を自分の中に持っていない頃の自分を振り返ると、以下のような傾向がある。
- お金やコストパフォーマンスで決める事が多い
- 権威主義的で、上司の顔色を伺うことが多い。また、上司に言われた通りにやればよいと考えている
- 本に書いてある内容は正しいと信じる
- 周りの意見に合わせる事が多い
価値基準を自分の中に持たない人が多いのは、おそらく日本の学校教育による弊害。1
自分の場合は社会人となってから5〜6年ほどで価値基準を持つに至った自覚があるが、本人の課題意識や環境次第ではもっと早いと思う。
一方、社会人になってから10年以上経っても自身の価値基準を形成できていない人もいるため、ひょっとしたら自分の価値基準を確立することなく人生を終える人もいるのかもしれない…。
自信を持っていること(自己肯定感が高いこと、成功体験があること)
「知識・経験」と「自分の価値基準」だけでは、意見を持つことができたとしても、主張することは難しい。
きちんと主張するために必要なのは「今まで自己決定してきて、それが通用した」という実感を持っていること。
これはつまり成功体験であり、成功体験が自己肯定感や自信に繋がる。
自身の場合、以下のような成功体験が思い当たる。
- アーキテクチャ設計・技術選定・開発を主導し、開発中に起きたこと全てに遂行責任・説明責任を果たしたこと
- 指導した後輩が、社会人および開発エンジニアとして一人前と言える水準となり、本人からも感謝されたこと
- サービス存続に必要不可欠なシステムの開発・保守をリードし、自分がサービスを存続させたという自負があること
- 資産形成において自分なりに試行錯誤した結果、一定の効果が出たと感じられたこと
これらの成功体験では自分なりに考えてそのときのベストを尽くすとともに、説明責任・遂行責任・結果責任など何らかの責任を果たすことができた。
こうした経験を積み重ねることで、自分の意見に自信を持って主張できるようになるものと考えている。
-
「正解」を重視する教育が大半で「意見」を述べる機会がないこと、「同質性」を重視していること ↩︎